経営者が3つのAIを使い分けている。そして入れないものを決めている

3つのAIを使い分け 入れない(何に使うかより、何を入れないか) ツールと制度

編集部ではChatGPT・Claude・Geminiの3つを、場面によって使い分けています。

AIの活用方法を書いた記事は多いのですが、「何を入れないか」を書いたものはあまり見かけません。 実務で使ううえでは、そちらのほうが重要だと考えています。

この記事では、使い分けの実際と、入れないと決めているものを記録します。


結論:何に使うかより、何を入れないか

先に、この記事で一番書きたいことを置きます。

編集部では、個人情報に関わることをAIに入れません。

  • 従業員の情報は一切入れない
  • 契約書を確認させるときは、固有名詞を入れないか、ダミーに置き換える

この線引きをどこに置いているかは、後の節で書きます。


3つの使い分け

AI主な用途契約
Claude制作物を作るとき有料(3社分)
GeminiGoogleワークスペース連携、検索有料(2社分)
ChatGPT現在はあまり使っていない(有料版で再検証予定)無料

Claudeは制作に使っています。Web制作物、資料、文章。形のあるものを作る作業です。

GeminiはGoogleワークスペースとの連携が理由です。編集部はGoogle Workspaceを使っているため、メールやドキュメントとつながる利点があります。検索まわりでも使っています。

ChatGPTは現在あまり使っていません。 かつては使っていましたが、他の2つに移りました。

ただし新しいバージョンが出たため、有料版にして試す予定です。 この分野は日進月歩なので、一度使わなくなったものを固定的に「不要」と判断しないようにしています。


固定していない。日進月歩なので

使い分けは固定していません。そのときどきで、優秀なAIが変わるからです。

判断の材料にしているのは、だいたい以下です。

  • 検索の賢さ
  • 指示への対応力
  • 制作物の表現が人間的かどうか

この分野は日進月歩です。 半年前に最適だったものが、今も最適とは限りません。だから「このAIに決めた」という状態を作らないようにしています。

無料プランを1つ残しているのも、比較のためという面があります。


実務で使っている場面

用途内容
Web制作物サイトやページの制作
契約書の確認内容のチェック
資料作成提案資料、社内資料
数字の整理・分析データの集計や傾向の把握
メール文の作成文面の下書き
制度・手続きの調査労務や助成金など

最後の項目については、社労士の顧問を解約してfreee人事労務にした話に書きました。労務まわりで分からないことが出てきたとき、まずAIに聞き、それでも分からなければ行政の窓口に電話するという運用をしています。


助成金の申請書類は、NotebookLM(Google)で作った

具体例をひとつ書きます。

助成金の申請書類を作るとき、NotebookLM(Google)に参考になるデータを入れ、作成の要点を出してもらいました。

要件の資料を読み込ませ、何を書く必要があるのかを整理させる。そのうえで書類を作る、という手順です。

この方法で申請した助成金のうち、すでに受給できたものがあります。 審査中のものもあります。


嘘をつくことがある

使い分けの話より、こちらのほうが実務では重要です。

AIは嘘をつくことがあります。 そして、指示していないことを勝手にやることもあります。

だから人間のチェックが必要です。 これは省略できません。

編集部では、AIの出力をそのまま使うことはしていません。制作物であれば内容を確認し、調べものであれば別のモデルに聞き直すか、行政の窓口など確認できる先に当たります。

AIは制度を教えてくれますが、その回答に責任を負いません。 責任を負うのは使った側です。


個人情報は入れない

ここがこの記事の芯です。

従業員の情報は一切入れない

給与、評価、労務に関する個別の事情。従業員に関する情報は、AIに入れていません。

労務の調べものでAIを使っていますが、それは制度の仕組みを聞いているだけです。「うちの従業員の◯◯さんが」という形では聞きません。

契約書などは、固有名詞を入れないかダミーに置き換える

契約書の確認にAIを使っていますが、基本的に相手の社名や担当者名は入れていません。 必要な場合はダミーの名前に置き換えます。

確認したいのは条項の内容であって、誰との契約かではありません。固有名詞がなくてもチェックはできます。

線引きは「自分で貼り付けるかどうか」

もう少し正確に書きます。編集部が引いている線は、自分の判断で貼り付けるものを選ぶというところにあります。

Geminiの有料プランでは、Gmailの返信作成にAIを使えます。この場合、メールに含まれる相手の情報はAIに渡ります。ただしこれは、Googleがその仕様として提供している機能です。 規約の範囲で、そういうものとして使っています。

自分でプロンプトに貼り付けるのとは、性質が違います。

前者はサービスの仕様であり、利用規約に同意したうえで使うもの。後者は自分の判断です。編集部が管理できるのは後者だけなので、そこに線を引いています。

従業員の情報を貼り付けない、契約書の固有名詞をダミーに置き換える。これらはすべて、自分の判断で防げる範囲の話です。


費用

AI単価契約数月額
Claude$20/月3社分$60/月
Gemini2,900円/月2社分5,800円/月
ChatGPT無料—0円

Geminiは年69,600円です。

Claudeはドル建てです。 $720/年ですが、円での支払額は為替によって変わります。 編集部では円換算の実額を追っていないため、この記事では円では記載しません。

海外のSaaSを使うと、固定費のはずが月ごとに変動するという状態になります。これは複数のツールを契約すると無視できなくなる要素です。

なお契約は会社ごとに分けています。 経理やチャットツールと同じく、法人ごとに別契約です。

費用は投資として扱っている

ひとつ書き添えておきます。編集部では、AIの費用を負担とは考えていません。 今後の仕事における事業投資として扱っています。

経理やチャットツールについては、別の記事で「無料で足りるなら無料で」という判断をしていると書きました。AIについては、逆の姿勢を取っています。 試す価値があると思えば払う。使わなくなったものでも、新しいバージョンが出れば有料版で試す。

領域によって、判断の基準を変えています。


記録として残しておくこと

項目内容
使用AIClaude/Gemini/ChatGPT
Claude制作物の作成。$20/月 × 3社分
GeminiGoogleワークスペース連携・検索。2,900円/月 × 2社分(年69,600円)
ChatGPT現在はあまり使用せず。無料プラン。新バージョンを有料版で試す予定
乗り換えの基準検索の賢さ/対応力/表現の人間らしさ。固定しない
用途Web制作、契約書確認、資料作成、数値分析、メール文、制度調査
助成金NotebookLM(Google)に資料を入れて要点を整理。受給済みのものあり
入れないもの従業員の情報は一切。契約書等の固有名詞はダミーに置換
線引きの基準自分の判断で貼り付けるものを選ぶ。サービスの仕様として組み込まれた機能は、規約の範囲で使う
契約会社ごとに別契約
未計測Claudeの円建て実支払額(為替により変動)