編集部では4つの法人を運営しています。
これまで6本の記事で、会計ソフト・チャットツール・バーチャルオフィス・労務まわりの実額を記録してきました。書き終えてから7つの領域を並べてみたところ、予想していなかった構造が出てきました。
7領域すべてで、1社だけが他と違う判断になっていました。例外がありません。
そしてその1社のコストは、他社の約5.6倍でした。
4社の構成

| 事業 | 人員 | |
|---|---|---|
| A社 | WEB事業支援 | 従業員なし |
| B社 | ひとり法人 | 従業員なし |
| C社 | 店舗あり | 従業員4名 |
| D社 | 業務委託中心 | 2名+業務委託 |
C社だけが、実店舗と従業員を持っています。
7領域を並べた結果

| 領域 | A社 | B社 | C社 | D社 |
|---|---|---|---|---|
| 社労士 | — | — | 解約(月3万円台→0) | — |
| 経理 | MFで自社処理 | MFで自社処理 | 税理士に委託 年51万円 | MFで自社処理 |
| 会計ソフト | MF 年29,760円 | MF 年29,760円 | なし(税理士に委託) | MF 年29,760円 |
| チャット | Slack 無料 | LINE 0円 | Chatwork 年40,320円 | LINE 0円 |
| バーチャルオフィス | レゾナンス | レゾナンス | なし(店舗が所在地) | GMO |
| 法人カード | MFカード 無料 | MFカード 無料 | 三井住友+楽天 3,575円 | なし(個人立替) |
| 労務ソフト | — | — | freee人事労務 年24,000円 | — |
7領域すべてで、C社だけが違います。
意図して分けたわけではありません。それぞれの領域で、そのときどきに判断した結果です。
コストは5.6倍

判明している分だけで集計しました。
C社(年577,895円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 経理・税務 | 510,000円 |
| チャット | 40,320円 |
| 労務ソフト | 24,000円 |
| 法人カード | 3,575円 |
| 合計 | 577,895円 |
他3社(1社あたり年103,785円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 経理・税務 | 79,760円 |
| バーチャルオフィス | 24,025円 |
| チャット | 0円 |
| 法人カード | 0円 |
| 合計 | 103,785円 |
差は約5.6倍。 同じ「法人1社」でも、これだけ変わります。
分岐点は「実態のある事業を持つか」だった

7領域を並べてみると、判断を分けている条件は1つだけでした。
実店舗と従業員があるかどうかです。
| 実態あり(C社) | 実態なし(A・B・D社) | |
|---|---|---|
| 場所 | 店舗が必要 → バーチャルオフィス不要 | 登記だけ → バーチャルオフィスで足りる |
| 取引 | 現金取引・件数が多い → 税理士に委託 | 件数が少ない → ソフトで自社処理 |
| 人 | 従業員4名 → 労務ソフトが必要 | 従業員なし → 発生しない |
| 連絡 | 社内で共有が必要 → 有料チャット | 少人数 → LINEや無料プラン |
| 決済 | 店舗の決済がある → 用途別に2枚 | 使用量が少ない → 年会費無料か、なし |
「法人が何社あるか」ではなく、「その法人に実態があるか」で必要なものが決まります。
だから、揃えようとしても揃わない
別の記事で、経理について「会社ごとに検討する」と書きました。
法人格は別人格です。そして財布も別です。別の会社なので、経理は別々にやる。それが前提です。
7領域を並べると、この構造がより明確になります。
仮に4社で揃えようとすると、こうなります。
C社の方法に揃える場合
経理を全社で税理士に委託すると、年51万円×4社=204万円。実態のない3社には不要なコストです。
他3社の方法に揃える場合
C社の経理をソフトで自社処理に切り替えると、取引件数と経営者の時間が足りません。 労務ソフトを外せば、従業員4名の給与計算が止まります。
どちらに揃えても、どこかが破綻します。
法人カードだけは、ほぼ費用がかからなかった
7領域のうち、法人カードは最も金額が小さい領域でした。4社合計で年3,575円です。
| カード | 年会費 | |
|---|---|---|
| A社・B社 | マネーフォワード ビジネスカード | 0円 |
| C社 | 三井住友ビジネスカード for Owners クラシック | 1,375円 |
| C社 | 楽天ビジネスカード | 2,200円 |
| D社 | なし | 0円 |
C社が2枚持っている理由
店舗事業の決済用と、それ以外の決済用で使い分けています。 用途で分けると、明細を見たときに何の支出か分かりやすくなります。
D社はカードを持っていない
代表者の個人カードで立て替えています。 理由は単純で、カードを使う場面がそれほど多くないからです。
立替分は月末締めで、翌月に法人から支払って精算しています。
「法人カードは必須」とは限りません。 使用量が少ない会社では、発行しない選択もあります。
与信限度額について
マネーフォワード ビジネスカードの与信限度額は50万円でした。
編集部では、この枠で困った場面はありません。管理画面に「与信限度額の変更」という導線があり引き上げは申請できるようですが、申請したことはありません。
使用量によっては足りない会社もあると思います。 編集部の場合は、必要な額に対して十分でした。
6本の記事で分かったこと
これまでの記録を並べておきます。
社労士の顧問を解約してfreee人事労務にした
業務は消えず、ソフト・社内・税理士・AIに分散した
複数法人の経理は、会社ごとに検討する
1社あたり6.4倍の差。まとめ割引もない
4社のうち3社は、チャットツールに1円も払っていない
ツールは相手が決める。無料で足りる会社がある
経営者が3つのAIを使い分けている
何に使うかより、何を入れないかが重要
ひとり法人プランで使っていない機能が6つあった
契約内容を把握しないまま手作業していた
バーチャルオフィスの転送を48件実測した
年額が安いほうが、結局安いとは限らない
これから2社目を作る人へ
編集部の実額を、そのまま置いておきます。
実態のない法人(登記と最小限の運営)
| 項目 | 年額 |
|---|---|
| 会計ソフト+決算 | 約79,760円 |
| バーチャルオフィス | 約24,025円 |
| チャット | 0円 |
| 法人カード | 0円 |
| 合計 | 約103,785円 |
実店舗と従業員がある法人
| 項目 | 年額 |
|---|---|
| 経理・税務(委託) | 510,000円 |
| 労務ソフト | 24,000円 |
| チャット | 40,320円 |
| 法人カード | 3,575円 |
| 合計 | 約577,895円 |
年10万円で維持できる法人と、年58万円かかる法人があります。 差を決めるのは社数ではなく、その法人に実態があるかどうかです。
※ いずれも社会保険の会社負担分・法人住民税の均等割などは含んでいません。実際の維持費はこれより高くなります。なお社会保険の会社負担分は、役員報酬が逆算できるため、このメディアでは金額を書きません。
編集部が実際に使っているサービスです。
会計ソフト(3社で使用)
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記録として残しておくこと
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 編集部が運営する4法人 |
| 比較領域 | 社労士/経理/会計ソフト/チャット/バーチャルオフィス/法人カード/労務ソフト |
| C社だけが違った領域 | 7領域すべて(例外なし) |
| C社の年間コスト | 577,895円(判明分) |
| 他3社の年間コスト | 1社あたり103,785円(判明分) |
| 差 | 約5.6倍 |
| 分岐点 | 実店舗と従業員の有無 |
| 法人カード4社合計 | 年3,575円 |
| 与信限度額(MFカード) | 50万円。引き上げ申請の実績なし |
| カードなしの会社 | 代表者の個人カードで立替。月末締め翌月精算 |
| 未計測 | 法人住民税の均等割/その他の固定費 |
| 開示しない | 社会保険の会社負担分 |
法人住民税やその他の固定費を集計していないため、実際の維持費は上記より高くなります。集計でき次第、この記録を更新します。ただし社会保険の会社負担分は、集計しても金額は書きません。

